干物の定番と言えば、アジと並んで上位に挙げられるのがカマスの干物です。
縄文遺跡に出土した頭部と本体の骨の数の違いから、カマスは当時から干物として多く食されていたことが分かっています。
アジについてはこちらのブログでご紹介済みですので、今回はカマスについていろいろと検証してみます!
① 平安時代に文字として初登場する魳(カマス)
901~923年に編纂された『延喜式(律令時代最後の法令全書)』には、京都の岩清水八幡宮へ献供される神饌(神に備える酒食)全31種の中のひとつとして魳が挙げられています。

ちなみに、この書物は先般のNHK『Cool Japan』の中で、平安時代の宮中で使用された染め物を復元した際の参考書として紹介されていました。現代にも役立つ実用書だったのですね!
また、938年に出版された『和名類聚抄』という辞書の第24部(飲食部=食物)には、魳は4月~6月の旬の食材として紹介されています。
カマスは当時から重要な食材であったことがよく分かりますね。
②そもそも【カマス】とはどんなお魚でしょう?
カマスは『スズキ目サバ亜目カマス科カマス属』に分類されるお魚です。カマス属だけで21種いますが、日本の干物で多用されるのはアカカマスとヤマトカマスの2種です。
両種とも北海道以南から南シナ海にかけて混在し、群れを形成して活発に泳ぎ回ります。
ヒトに対して攻撃性を示す魚種の一つで、体長2mを超えるような大型種はサメよりも危険な存在としてとらえている地域もあります。
1. アカカマス
最大で50cmにもなる種で、赤っぽい色をしています。ヤマトカマスによく似ていますが、腹びれ(〇)の後方から背びれ(〇)が始まっているところに違いがあります。旬は冬で、ヤマトカマスより高価で美味だと評価されています。
2. ヤマトカマス
最大で30cmにる種で、灰褐色をしています。アカカマニスに似ていますが、腹びれ(〇)と背びれ(〇)がほぼ同じ位置から始まっているところに違いがあります。旬は夏で、アカカマスより安価で味も少し劣ると評価されています。
③ (少し寄り道)カマスの実験って本当のお話?
ちょっと本題から外れますが、『カマスの実験』というのをご存じでしょうか?心理学や人材育成の面で多く紹介されていますので、興味のある方は一度検索してみてください。
それなりにいいお話ではありますが、いずれのWEBページに共通して言えるのは、
・実際の実験の出典が明らかにされていない点
・カマスを水槽に入れて何度も繰り返し同じ実験をしたとされる点
において、実験は信ぴょう性に欠けるというのがお魚のプロたちの感想です。
ただ、話の中心にカマスが取り上げられていることには大変興味を惹かれるとのことです(^^;;
みなさんはどうお感じになられますでしょうか?
④ カマスに人気が集まる理由とは?
冒頭でもご紹介しましたように、カマスは神社にも献上されていた高級魚ですが、ご紹介済みのアジと同様に干物にして焼いた方が美味しくなります。
美味しさは決して主観ではなく、旨味を表すアミノ酸の量で測ることができます。詳細な数値は以下にご紹介する文部科学省のページに譲るとしまして、カマスは生のままですとアミノ酸総量が18,000mg(可食部分100gに対して…以下同様)ですが、焼くことによりこれが22,000mgまで多くなります。
「焼いた方がより美味しくなる」ことを数値で確認できるよい例ですね!
カマスの主な栄養効果は以下のとおりです。
栄養素 | 効能 |
ビタミンD | 歯や歯の形成をサポート |
ビタミンB12 | 造血効果や神経機能の向上 |
ビタミンB6 | タンパク質の代謝促進 |
ナイアシン | 二日酔い対策 |
タンパク質 | 健康な身体作り |
DHA | 動脈硬化や高脂血症などの予防 |
EPA | 血液をさらさらにする効果 |
アジと同様に大変優秀なお魚ですね!
⑤ ショップの【国産カマスの干物】をご家庭で!

国産に限定したオンラインショップの【カマスの干物】をご賞味いただけましたら幸いです(^^;;