これまでご紹介してきたお魚と同様に、鯖も縄文時代からずっと愛されてきた食材の一つです。国内で獲れるのはマサバ(タイヘイヨウサバ)とゴマサバの2種類です。
足が速いことに加え、寄生虫の問題から『生』で食する習慣はほぼ皆無で、長年様々な調理法によって食されてきました。
今回はノルウェー産のサバ(タイセイヨウサバ)を中心にご紹介していきます。
① ノルウェーとはどんな国?
EU(欧州連合)非加盟国のノルウェー王国について簡単にまとめてみました(2020年1月現在)。
英語表記 | NORWAY |
首都 | オスロ |
面積 | 385,199㎢(日本とほぼ同じ面積) |
元首 | ハラルド5世国王(1991年即位) |
言語 | ノルウェー語(多くの人が英語を話し、街中の表記も英語のものが多いので英語が話せればほぼ問題ありません) |
治安と衛生面 | 他のヨーロッパ諸国と比べても治安は良好ですが、置き引きの被害も増加しているので注意が必要です。衛生面は問題ありません。 |
気候 | ノルウェー西岸を流れる暖流のおかげで緯度のわりには穏やかな気候で、四季も比較的はっきりとしています。 |
通貨 | ノルウェークローネ : NOK、 2021年3月現在 : 1NOK=13.09円 |
日本との時差 | 夏:マイナス7時間、冬:マイナス8時間(夏時間は3月最終日曜日の2時~10月最終日曜日の3時)【例】日本 12:00 → ノルウェー 5:00 |
航空便 | ノルウェーへの直行便はないため、ヨーロッパ内の都市にて乗り換えが必要で、飛行時間は約12.5~15時間程度です。 |
② ノルウェーのタイセイヨウサバについて
国内で獲れる魚のうち、イワシに次いで多いのがサバで、マサバとゴマサバを合わせ、北海道から九州まで年間約38万トンが水揚げされています。
ただ、脂が乗っていない小さなサバが大半で、養魚用の餌などに回されたり、海外へも輸出されたりしているため、国内で食べられているのは十数万トンで、多くを輸入に頼っているのが現状です(2020年農林水産省~産地水産物用途別出荷量調査(水産物流通調査結果データ))。
中でも大型で脂の乗りが多いノルウェー産のタイセイヨウサバの輸入量は、4万6000トン弱でサバの総輸入量の86%強を占めており(2020年農林水産省~財務省貿易統計(輸入))、日本で消費される半数を占めていると言われています(ノルウェー水産物審議会(NSC)談)。

特に、記憶に新しい出来事としては、昨年2021年9月の旬に水揚げされたノルウェーサバが、フィンランドのヘルシンキ経由で、初めて『生』で空輸され「サバ・ヌーヴォ」と命名されて話題を呼びました。
脂の乗り具合を示す数値としては、国内産のマサバでも多くて20%強に対して通常のノルウェーサバが25%を超え、サバ・ヌーヴォは30%を超えています!
ノルウェー産、まさに王者の風格ですね(^^;;
サバ・ヌーヴォの出現により、今後はサバの生食も進むかも知れませんが、やはり主流は干物やサバ缶等が続くでしょう。
③ (少し寄り道)ノルウェーと日本との共通点
- 日本と同じ軟水で、水道水の水が飲めます。
- 床暖房施設の充実により、家の中では靴を脱ぎます。
- お寿司屋さんも多く、生魚が食べられます。
- 衛生管理がしっかりとしているので、生卵も食べられます。
- あまり自己主張せずに、言葉はオブラートに包んだような言い回しをします。
- PTAの役員決めの際、みんなうつむいてしまいます。
- 食事の最後には「ごちそうさま」と言います。

何だか少し距離が縮まった感じを受けるのは私だけでしょうか(^^;;
(参考サイト:もかのノルウェー生活ブログ様、マイナビウーマン様)
④ サバの干物の栄養効果について
これまでご紹介してきたお魚と同様に、サバも干物にすることでさらに美味しくなります。
主な栄養効果は以下のとおりです。
たんぱく質 サバは必須アミノ酸がバランスよく含まれている良質なたんぱく源です。必須アミノ酸は体内で作ることができないので、必ず食事から摂取する必要があります。たんぱく質は筋肉や内臓、骨、皮膚、髪の毛、血液などを作るもとになります。これらは毎日新しく作られているので毎日摂取することが大切です。 |
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EPA(エイコサペンタエン酸) 魚油に多く含まれているn-3系脂肪酸の一種で、血栓の予防や高血圧の予防に効果が期待できます。さらに、善玉コレステロールを増加させて、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす効果も期待できます。 |
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DHA(ドコサヘキサエン酸) こちらも魚油に多く含まれているn-3系脂肪酸の一種です。血流をよくする働きがあり、動脈硬化の予防改善効果が期待できます。また、脳を活性化させて記憶力をよくする効果があり、認知症の予防改善にも効果が期待できます。 |
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ビタミンD ビタミンDはカルシウムの吸着を高める骨の健康に欠かせない栄養素です。免疫力をアップする効果も期待できます。魚介類やきのこ類に多く含まれています。 |
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鉄 鉄は酸素を全身に運ぶ赤血球を作るために欠かせないミネラルです。また、筋肉内に酸素を取り込む働きもあり、不足すると酸素を上手く取り込めずに筋力低下や疲労を起こす原因にもなります。体内で吸収されにくい栄養素のひとつですが、ビタミンCを含む食材と一緒にとることで吸収率がアップします。 |
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亜鉛 亜鉛には細胞を作り成長を促す働きがあり、美しい肌や髪を保つためにも欠かせない栄養素です。また、インスリンや性ホルモンの合成にも関わっています。さらに、亜鉛は舌の表面の味蕾にある味を感じる細胞を作る働きがあり、不足すると味覚異常の原因になります。 |
サバも大変優秀なお魚ですね!
⑤ ショップの『サバの干物』をご家庭で!