イカと一口に言ってもその種類は国内で獲れるだけでも約140種と言われています。
ここ数年は不漁という話題で持ちきりですが、それでもイカの消費量は日本が世界第一位です。
今回は数ある種類の中から、東京の豊洲市場で多く取引されるイカ4種と一夜干しについてご紹介いたします。
① イカの王様『アオリイカ』のご紹介
『ミズイカ』とも呼ばれる『アオリイカ』の体長は約30~40cm。
特に関東と福井の西で獲れる傾向があり、大型のものは春から初夏が旬です。
今回の中では最も高価で5,000円/kg(豊洲市場5年平均最高額は8月)ほどの取引価格になります。
② 高級イカ『コウイカ』のご紹介
『真イカ、墨イカ』とも呼ばれる『コウイカ』の体長は約20~30cm。
瀬戸内海沿岸や九州でよく獲れて、春から初夏に産卵するため冬から春先が旬です。
寿司のネタとして人気も高く、4,500円/kg(豊洲市場5年平均最高額は8月)ほどの取引価格です。
③ 安定した人気の『ヤリイカ』のご紹介
『水イカ』とも呼ばれる『ヤリイカ』の体長は約20~40cm。
北海道や青森、宮城と長崎がおもな産地で、旬は冬から春先です。
コリコリとした食感と、上品な甘み・うま味・コクに人気があり、取引価格は1,600円/kg(豊洲市場5年平均最高額は7月)ほどです。
④ 庶民の味方『スルメイカ』のご紹介
『真イカ、白イカ』とも呼ばれる『スルメイカ』の体長は約30cm。
秋と冬、夏に発生する群れが一年中日本列島周辺を回遊していますが、漁獲量の多い夏が旬だと言われています。
漁獲量は日本一で 950円/kg(豊洲市場5年平均最高額は4月と11月)ととてもリーズナブルな取引価格です。
⑤ 美味しい『イカの一夜干し』になるための3条件
今回はあくまでも東京豊洲市場で取引されている代表的なイカを紹介しましたが、それぞれの地方には独自のイカが多く存在します。
例えば九州の玄界灘では『ケンサキイカ(真イカ、夏イカ)』が有名です。体長は約30cmで夏が旬です。地元では高価なイカとして有名です。
このように古来よりぞれぞれの地方で愛されてきたイカですが、美味しい『一夜干し』になるためにも必須条件があります。
1. 新鮮なイカが使用されていること
足の速いイカは『生=新鮮』という判断基準にはならないことに注意が必要です。
いかに鮮度を保ったまま加工場まで運ばれるかが重要です。ですので、遠洋で獲れたものであれば、船内ですぐに冷凍保存されたものが新鮮なものと判断されるわけです。
特にイカの一夜干しは、干し上がった後でも胴の部分が少し透けて見えるものが新鮮さの証となります。
2. 手開き加工されていること
ベテランの加工者であれば、形や大きさではなく『獲れた内臓』で旬の判断を見極めるとのことです。
この点からも、以前『干物の見極め方』で紹介しましたように機械ではなく人の手で加工されたものがより信頼できますね。
3. 適切な乾燥方法がとられていること
かつては『干物=天日干し』というのが常識でしたが、最近では衛生管理の問題や商品の均一化などの条件から、どこでも天日干しが最良とはならなくなりました。
ですので、自然環境に恵まれているところでは『天日干し』も有効でしょうが、車の往来の激しい通り添いなどでは求むべくもありません。加工場の環境に最も適した乾燥方法を採用しているかが重要なポイントとなります。
ちなみに、オンラインショップで扱っている『イカの一夜干し』は全て『スルメイカを乾燥室』で仕上げています。これは、商品のムラやホコリ、自動車の排気ガス、虫などを防ぎ、高品質の干物を安心して食べていただきたいという願いからです。
⑥ 食べ方はお好みで!
一夜干しは丸干しに比べ、柔らかく仕上がっていますので、そのまま焼いても、他の料理と組み合わせても美味しく召し上がることができます。
食べ方に決まりはありませんので、いろいろとお試しくだされば新たな発見に出会うかも知れません。

ショップの『国産イカの一夜干し』もご検討いただければ幸いです(^^;;