日本の干物は縄文時代の遺跡にその痕跡があることから、少なくとも4,000年前にはその習慣があったことが分かっています。そして、この歴史は連綿と現代まで続き、現在では海外でも食される一大食文化にまで発展しました。
では、現代人にとっての『美味しい干物』とはどういったものでしょうか?今回は『見た目で分かる美味しさ4カ条』をご紹介いたします。
①『機械開き』ではなく『手開き』のものを選びましょう!
見極め方のポイントは2つです。
1. 干物の中骨周りをよく観察しましょう!
日々、魚用の加工機械も進化しており、一見するとまるで人の手で開いたように見えるものが多くなりました。しかし、人の手のように魚に合わせて細かく開く作業にはまだ及びません。
中骨にしっかりと身がついているものが『手開き』です。機械開きではここを一律にそぎ落とすので、ともすると中骨の脇の骨までもはっきりと露出しているものが多く出回っています。
中骨の周りにふっくらと身がついている『手開き』のものを選びましょう!
2. 魚の口をよく観察しましょう!
これも一目瞭然で、口の部分がつながっているものが『手開き』、離れているものが『機械開き』です。見ればすぐに分かることですが、この事実が見極めのポイントであることはあまり知られていません。
ただし、決して機械開きが不味いと言っている訳ではありません。機械開きは美味しい身までもそぎ落としているので、できれば美味しさがより多く残された『手開き』をお勧めする次第です。
『手開き』のアジ![]() |
『機械開き』のアジ![]() |
② 全体の姿が『丸みを帯びてふっくら』しているものを選びましょう!
魚によっては長/短、大/小とさまざまな種類が存在しますが、全体的な姿が丸みを帯びていて、特に中心部分がふっくらしているものが美味しさにつながります。
最近では真空パックで売られているものが多くなりましたが、それでも全体的な形状や中心部分のふっくら感は優しく触るだけでも分かります。あくまでも優しく触ってくださいね!
『国産』のアジ![]() |
『外国産』のアジ![]() |
③ 腹の部分が『白くなっている』ものを選びましょう!
脂の乗った干物の場合、例外なく腹の部分が『白く』なっています。これは真空パックの場合でも確認できますので、店頭で買われる時などは、よく比較することをお勧めします。
④ 干し方(味付け)で原産地を判断しましょう!
日本人である以上、できれば産地は国産をと願うのが自然ですが、干物に限って言えば、『国産の方が外国産より美味しいとはならない』点に注意が必要です。
例えば、干物の代名詞とも呼べる塩干しであれば、旬の時期に獲れた国産の方が値段は高くても美味しいことに間違いはありません。
しかし、これもまた根強い人気のみりん干しはどうでしょうか?これはよほど脂の乗ったものでないと、みりんが脂に勝るためにパサパサとした食感になってしまいます。
もちろん国産でも本当にしっかりと脂の乗ったものが手に入らない訳ではありませんが、残念ながらその数は圧倒的に少なくなっているのが現状です。
そこで、旬の時期に海外で獲れたものを利用することが今日では当たり前になってきました。これは昨今の冷凍技術の向上にも大きな要因があります。
ですので、原産地を見極める際には『塩干しは国産もの』、『みりん干しは外国産もの』と理解しておいてまず間違いはありません。
アジの『塩干し』(国産)![]() |
アジの『みりん干し』(外国産)![]() |
⑤ かねてつ水産の『厳選干物』をご家庭で!
今回は『見ただけで美味しさが分かる』という観点から4カ条をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?イカや貝の場合はどうなの、という声が聞こえてきそうですね(^^;;
これはまた別の機会でご紹介することにします。

かねてつ水産の干物は『4カ条』すべてを満たしたもの限定ですので、ご検討いただければ幸いです(^^;;