サワラにはいろんな味わいがあり、幽庵焼きとして懐石料理店をはじめとした飲食店や、家庭の食卓でも親しまれています。
今回はサワラの幽庵漬けとなる基礎知識やご自宅での「ひと手間加えるだけで美味しさアップ」おすすめ調理法のご紹介です。
① サワラの特徴と幽庵焼きについて
サワラは、左辺に魚、右辺に春を合わせ「鰆」と書きます。分類はスズキ目サバ亜目サバ科に属する海水魚です(Wikipedia)。
成長するに伴い、関西では一般的にサゴシ(40~50cm)、ヤナギ(50-70cm)の過程を通り70cm以上をサワラと呼称する出世魚の代表格です。
サワラに関しては『出世魚のサワラに【西京漬】が好まれる理由とは?』でより詳しく解説していますので、合わせてご参照ください。
足の速さ(=痛みの速さ)でも有名なサワラですので、一般的には鮮度を保つための調理法の観点から味付けして食すことの方が多いのも特徴と一つです。今回は幽庵焼きに特化してご紹介します。
・ 幽庵焼きとは
そもそも「幽庵」は「祐庵や柚庵」と書かれることも多いですが、ここに明確な違いがある訳ではありません。
一般的には、江戸時代の茶人であった北村祐庵(堅田幽庵)が発案した調理法で、その功績から名前がつけられたとされてきました。
また、調理の特徴として柑橘系の果実(柚など)を漬け地に加えらることが多いことから「柚庵」とされたとも言われています。
ただ、江戸時代から親しまれてきた甘みのある漬け地に浸した魚を焼くという調理法が、現代まで愛され続いていることに変わりはありません。
幽庵焼きの漬け地には、お酒と味醂、醤油の3種をベースとして、柚やすだち、カボスなどの柑橘系の果実を使用するのが一般的です。
仕上がり時の見た目では照り焼きと大変似ていますので、ここで2つの違いを簡単にまとめてみます。なお、照り焼きについては『かねてつ水産オンラインショップ限定【幽庵漬】… その美味しさの原点をご紹介!』で詳しくご紹介していますので、合わせてご参照ください。
・ 照り焼き…味付けされていない魚を「甘めのタレ」をかけながら焼く調理法

調理法としては「照り焼き」の方にかなりの技量が要求されますが、漬け地やタレで使われる材料自体に大きな違いはありません。
② サワラの幽庵漬けについて
サワラの幽庵焼きを自宅で楽しむ際、手早く召し上がるならお酒や味醂、醤油などを混ぜた漬け地に30分ほど浸してから焼くのが一般的です。
また、お好みで少量の砂糖、柑橘系の果実を輪切りにしたものを加えても良いですね。
漬け地の調合に厳密な規則はありませんが、バランスの取れた味付けにするためには「酒:味醂:醤油」の割合は「1:1:1」にすることをお勧めします。

(ここでトリビア!)料理界ではこれを三同割りと呼び、万能調味料の素となります。例えば、少量ずつ合わせたものに「おろししょうが」を加えるだけで、お店の味と全く同じ生姜焼きダレの完成です。三同割りを冷蔵庫で保存して活用できれば、あっという間に料理のレパートリーが増えること間違いなしですよ (^^)v
③ サワラのおすすめレシピ【フライパン調理】
サワラを焼く時には、フライパン・グリル・オーブンなど様々な調理器具がありますが、何と言っても後片付けが簡単なことからフライパンを使った調理法が人気を博しています。
・ 焼きレモンで味わう
画像出典:株式会社光洋様
サワラのレモンアレンジは、夏場にピッタリで爽やかに召し上がれます。何と言っても、お好みで使い分けられるのが嬉しいところです。
調理方法
1. サワラの切り身をお酒・味醂・醤油・砂糖のタレに30分ほど浸します
2. レモンをお好みの数で輪切りにしておきます
3. フライパンにクッキングシートまたはよく揉んだアルミホイルをしいて、漬け込んだサワラを皮目から焼きます
4. 弱火で両面を約5~6分の目安として焼き上げて皿に盛っておきます
5. 焼き上げたフライパンにレモンと漬け地(ショップの商品でしたら後付けのタレ)をほんの少し振りかけて軽く焼きます
6. サワラの上にレモンを載せ、付け合わせの野菜等を組み合わせて完成です

はじめから漬け地にレモンを入れておく方法もありますが、柑橘系の風味には好き嫌いがあるので、別々に調理した方がお好みに合う仕上がりになること間違いなしです。
生の柑橘類をかけて食す方法も一般的ですが、焼きのひと手間で美味しさがアップします。ぜひ、お試しを!
④ ショップの【サワラの幽庵漬】をご家庭で!
オンラインショップの幽庵漬には、好みに差があることから柑橘類は使用しておりません。これは簡単調理で「照り焼き風味」の味を出すことに主眼を置いているからです。
ですので、柑橘風味をお望みであれば、付属している後付けのタレに果汁等を加えて頂き、調理後にかけて頂くことも可能です。

ショップの国産にこだわったサワラの幽庵漬をご検討いただけましたら幸いです(^^;;